先日、英国オックスフォード大学の研究機関である
Reuters Institute for the Study of Journalism が
「Journalism, Media and Technology Trends and Predictions 2026」を発表しました。
AIの急速な進化が、メディアのあり方をどのように変えていくのか。
そして、その変化にどう向き合うべきなのか。
Webディレクターとして日々クライアントサイトに関わる立場から、このレポートは非常に興味深く感じました。
AIは「効率化」から「構造変化」へ
これまでAIは、
・記事の要約
・タイトル生成
・校正
といった“補助的な存在”として扱われることが多かった印象があります。
しかし今回のレポートでは、AIは単なる効率化ツールではなく、情報流通の構造そのものを変える存在 になりつつある、という指摘が強く打ち出されています。
特に印象的だったのは、「検索エンジンを介さず、AIチャットを通じてニュースに触れる層が増える」という予測です。
これはつまり、これまでの“検索流入前提のコンテンツ戦略”が通用しなくなる可能性を示唆しています。
Web制作やSEOに携わる私たちにとって、決して他人事ではないなと。
トラフィック減少とブランド価値の再定義
レポートでは、AIによる“ゼロクリック化”の進行についても触れられています。
AIが記事を要約して提示することで、ユーザーは元記事をクリックしなくなる。
これはメディアにとって広告収益やページビューに直結する深刻な問題です。
ただ一方で、これからは、「読まれるかどうか」以上に、“どの情報源として引用されるか”が重要になる時代 なのではないかと。ブランドとしての信頼性、専門性、一次情報の価値。
いわゆるE-E-A-Tの本質が、より強く問われるフェーズに入ったと感じます。
量から質へ、スピードから深度へ
AIが大量のコンテンツを瞬時に生成できる時代。
だからこそ人間が担うべきなのは、
・独自の視点
・一次体験
・取材や現場感
・思想や哲学
といった“深度”の部分ではないでしょうか。
どこにでもある情報は、AIがまとめてくれます。
しかし、その会社にしか語れないストーリーや経営者の言葉、ブランドの思想は、簡単には代替できません。
これは企業サイトやコーポレートブランディングにおいても、まさに同じことが言えると思います。
私たちWeb制作者が考えるべきこと
今回のレポートを読みながら、「AIにどう対抗するか」ではなく、AIが前提となった世界で、どう設計するか、この視点こそ重要だと感じました。
・AIに引用される構造化
・専門性の明確化
・ブランドストーリーの言語化
・検索以外の接点設計(SNS、コミュニティ、オウンドメディア)
Webサイトは単なる情報置き場ではなく、“信頼のハブ”として機能させる必要がある。
そんな時代に入ったのではないでしょうか。
