2025年12月16日、Googleのヘルプコミュニティにて、GoogleビジネスプロフィールのQ&A機能について、アナウンスがでていました。
内容は、これまでユーザーが投稿した質問にビジネス側や他のユーザーが回答する形だったものが、今後はAIが回答を生成し提供するようになるとのこと。
今日はこのことについて、少し考えてみました。
AIによるQ&A機能の概要と、そのメリット
アナウンスによると、ユーザーはGoogleマップ上で直接質問を投げかけ、ビジネスが提供した回答や関連するクチコミを基に、AIが即座に最新の回答を生成するようになる、とのことです。これは、ユーザーエクスペリエンスの向上を目的としたもので、既存の膨大なQ&Aをスクロールして探したり、回答を待ったりすることなく、タイムリーな情報を得られるようになるというメリットがあります。
1. ユーザー体験のパーソナル化と即時性への対応
AIが個別の質問に対して最適な回答を生成することで、ユーザーはよりパーソナルかつ即時性の高い情報アクセスが可能になります。
一方、ビジネス側としては、これまでのように個々の質問に一つ一つ対応する手間が省け、運用負担が軽減されると同時に、集約された質問に対して高品質な回答をより多くのユーザーへ提供することが可能になります。
2. 既存Q&Aとクチコミの重要性再認識
AIが回答を生成する際のソースは、ビジネス側が提供した情報や既存のQ&Aコンテンツ、そして何よりも「関連するクチコミ」です。つまり、既存のQ&Aが価値を失うわけではなく、むしろAIの回答精度を高めるための重要なデータになります。
質の高いクチコミは、AIが信頼性のある情報を判断する上での強力な根拠となるのではないでしょうか。E-E-A-T（経験、専門性、権威性、信頼性）の概念が、AI時代においてさらに絶対的な基準となるように、ビジネスプロフィールの「信頼性」を構成するクチコミの重要性は一層高まると感じています。
3. 「Ask」ボタンに見る、ユーザー行動の変化
一部では既に「Ask」というラベルのAIによる質問ボタンがテストされているようです。これは、ユーザーが検索窓にキーワードを入力するだけでなく、「人に話しかけるように」AIに質問を投げかけ、複雑なニーズに対する回答を求める傾向にあることがうかがえます。
単一キーワードでのSEO戦略だけでなく、ユーザーが抱える具体的な課題や潜在的なニーズを深く理解し、それに答える網羅的かつ質の高いコンテンツを提供することが、より早い段階で必要になるのではと思います。
4. ローカル検索における「情報鮮度」と「正確性」の追求
AIが「最新の」回答を提供するとされていることから、ビジネスプロフィールに登録されている情報の鮮度と正確性がこれまで以上に重要になると思います。営業時間、提供サービス、商品の在庫状況など、常に最新の情報に保つことで、AIが正確な情報をユーザーに届け、結果として顧客満足度向上や来店促進に繋がるでしょう。
今後のローカル検索戦略について
AIの進化は加速し、検索体験は今後も大きく変化し続けます。このGoogleビジネスプロフィールのQ&A機能のAI化は、以下の整備が重要だと感じています。
信頼性の高い情報提供体制の強化
AIが参照するビジネス側からの回答やクチコミの質を高めるための施策（クチコミ促進、適切な回答の蓄積など）。
網羅的かつ深い情報の整備
ユーザーがAIに尋ねるであろう多様な疑問に対し、事前にビジネスプロフィールやウェブサイト上で深い情報を提供しておく。
これにより、AIの回答精度を向上させ、ユーザーの疑問解消に繋がる。
AIが提供する情報は、あくまで私たちビジネス側が提供する情報が基になっています。ユーザーにとって真に価値ある情報を提供し続けることが、ローカル検索での成功に繋がると思います。
